優しさや思いやりとは何だろうか。
別の言い回しをすれば『相手のためを思って』の行動になるでしょう。
その、相手を思いやる気持ちの本質とは何か?
アダルトチルドレンは、殆どの人がココで躓いています。
その理由は、『優しさと思いやり』の解釈を誤認しているからです。
正確に言うと、誤って教え込まれたと言えるでしょう。
(親が誤認しているから、もちろん子供が影響を受ける)
自分の進路を妨害されているものなので、しっかりと理解し区別しておこう。
※この記事は、アダルトチルドレン向けになります。
優しさと思いやりに過干渉が介入するとどうなるのか?
優しさ・思いやりの実例と解説
実例1
ダメジローが田舎から上京した際、駅員の態度が冷たかったのを覚えている。
(今から20年以上も前の事だ。別に根に持っている訳ではないが、当時の衝撃で記憶している。)
現代では考えられないだろうが、昔は時刻表という本を見て電車に乗っていたのだ。
駅ごとの出発と到着時刻、電車の名前や番号が記載されている。
普段から電車に乗ることがなかったため、時刻表を見たってよく分からない。
※スマホが無い時代、情報入手はラジオかテレビ。それ以外は本しかないのだ。
ダメジロー:この寝台電車に乗れば○○方面ですか?
駅員:何?その本に書いてあるでしょ?
ダメジロー:…はい。
解説
ダメジローの心境:初めて訪れる地で、初めて乗る寝台列車、全てが初めてで不安しかない。
時刻表は見たが、乗る電車が間違っていないか心配。寝台だぞ?間違いは厳禁だ。駅員に聞こう。
駅員の心境①:学生が就職か…。これからは自分の力で、社会で生きていかなければならない。乗り間違っても死ぬことはないし、失敗も経験として活きるだろうか?失敗の後は、もっと自分で調べる力を身に付けるだろう。自分で切り開く視点を持たせるため、ワザと冷たく接しよう。
駅員の心境②:学生か?時刻表持ってるじゃねーか?それ見りゃわかんだろ?
相手のためを思っての『優しさと思いやり』の正解は①ですね‼︎
ポイント:①は重要度は高いが緊急度は低い。駅員さんには関係ないことなのだが、他人の自己成長を促す目的がある。と信じたい。②はただの嫌な感じの奴です。
実例2
初めて行った原宿で、駅の切符販売機で詰まりが発生した時に無言で助けてくれた人がいた。
Suicaが無い時代は、切符を購入して電車に乗る。千円札を投入したら、エラーが発生して
千円札が戻されていたのだ。エラー音が出ていたが、戻された位置と目線が合わず解らなかった。
原宿駅は混雑するので、後ろは大渋滞だ。駅員ボタンを押しても反応なし。冷や汗が…。
すると後方から手が出てきた。戻された千円札を手に取り、無言で渡して立ち去った。
その人は既に切符を買っていた。だから、別にダメジローを無視しても何も困らなかったのだ。
ほとんどの人は迷惑そうに列を移動し、そそくさとホームへと向かっていく。
解説
ダメジローの心境:エラー出てんじゃん‼︎なんで俺?
しかも後ろスゲー渋滞してんじゃんか。ボタン連打してんのに駅員来ねー‼︎
一般人の心境①:こいつエラーの原因に気付いてない?まぁ、そのうち気づくだろ。ほっとこ。
一般人の心境②:こいつエラーの原因に気付いてない?渋滞して周囲の迷惑だ。これが原因だよ‼︎
相手のためを思っての『優しさと思いやり』の正解は②ですね‼︎
ポイント:①は他人が困っていても自分には関係ない。②は周囲に影響があり緊急と判断した。
ここは最後に纏めます。
過干渉のフィルター
親が子供に過干渉していたとしても、子供は社会に出るまで気が付かない。
その環境で育てば、その過干渉という仕組みが解らないはずです。
(人は違いを比較することで物事を理解するから)
ここで言いいたい過干渉とは、その行動が『自立を阻害していないか?』です。
子供が失敗したり困ったりしないように、親が先回りして問題を解決していることを言います。
又、親は経験から正解を知っており、子が考える間もなく正解を強要することも同じことです。
上記が、子供にどのような影響を及ぼすのか?
単純に自立を阻害します。なので、社会に放り出されると100%苦労するのだ。
(考える思考や主体性を奪う。人の言うことは聞くが自分は考えない。人に依存する。
そのように教えたつもりはなくても、結果的にそういうことになります。)
※親もACの可能性が高く、自分の使命を忘れているのだ。子供を自立させることが親の使命です。
ダメジローも自立を阻害されて育ったので、社会に出てからメチャメチャ苦労しました。
その苦労を乗り越えて自分の実にするのか、潰れるのかは個人次第と言えます。
どこかのタイミングで、当の子供がその過ちに気が付けばよいのですが…。
(卵から孵化したヒヨコは最初に見たものを親と認識する。それが正しいと誤認するのだ。)
気付くのが早ければ早いほど有利です。逆に遅ければ遅いほど不利になる。
何に対して有利か不利かと言うと、人生に対してになります。仕事でも私生活にも利点は無いのだ。
・過干渉の弊害を理解し、それが自分の人生にどのような悪影響を及ぼすのか?
・視点や思考のずれをどのように修正していくのか?どのような視点や思考が必要なのか?
・自分が抱える問題や課題、悩むことにはどんな意味があるのか?(仕事も私生活も同じことだ)
上記のメカニズムを自分の中で分析すれば答えは出るでしょう。
この記事の纏め
『優しさと思いやり』は、その場の状況でも変化するものです。
ただ、過干渉に限った話をすると、自立を阻害する以外にない。
人間として生き抜いていく思考を阻害しているのだ。
本当に相手のためを思うなら、相手のコレから(先)を見なくてはなりません。
そうしないと、甘さという不要な偽善を押し付けることになります。
動物は自分に甘い生き物なので、そのうち偽善は当たり前と解釈される。これがペットだ。
(公園の猫に餌をあげるなら、責任持って毎日あげてください。その日だけとかは偽善だよ?)
線引きして例をあげると、こんな感じでしょうか。
緊急度高:相手をすぐに助ける必要があり、優しさと思いやる。
緊急度中:相手の状態・状況を確認し、優しさと思いやる。
緊急度低:相手の成長を願い、優しさと思いやる。(自立心を育てる)
親は子供に苦労させたくない。
しかし線引きができていないと、逆に苦労させることになるのだ。
親としてのやるべきことも、線引きしなくてはなりません。
いかがでしょうか?
生きていくということは、誰もが経験を積むことで成長していきます。
その成長には段階があり、コツコツと、徐々に、着実にが基本です。
スポーツで食べていく以外は、身体的な成長よりも精神的な育みが重要になるのだ。
そこに気が付いたなら、『親のルール・家庭のルール』→『社会のルール』を基準にすること。
そして、優しさと思いやりを正しく区別することですね。
日本人はココが苦手です。昔に比べたらだいぶ良くなったと思うけど。
参考までに、人生はコレで決まります→能力×熱意×考え方